Re: finalventの日記 - はてな全体をオントロジカルにまとめることは可能なわけだよな…

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20050629/1120035561


遅くなりましたが、「はてなカテゴリ」構想(まとめ前) にいただいたトラックバックへのレスということで。


「オントロジカルにまとめる」というのがどういうことを指しているのか、まだ理解しかねている段階なのですが、これが概念体系を作り上げるために云々ということなら、不可能だろうと思いますし、不要だと思っています。

今回の「はてなカテゴリ」構想では、そういうことは考えていません。

# 確かに私自身がまだWebオントロジーにロマンを求めてしまっている部分があるので、それ的な捕らえ方をされるのは仕方がないのですが(^^;、今回のはそういうつもりは全くありません、ということで。


ということで、要点をまとめてみると、…

はてなカテゴリ」構想とは、あるユーザが、日記を[カテゴリ]を付けて書いたり、ブックマークして[タグ]をつけたり、(今はできませんが)アンテナやRSSを登録して複数の[カテゴリ]を振ったりしているだけで、自然と自分だけのカテゴリ集合が作られるようになり、各カテゴリ毎に一ページが割り当てられ、その中で自分の使っているサービスを横断的に見られるようになる。そんな構想です。

つまり、あくまで個人的な利便性の向上を目指すところが主体であるので、そういう意味では、「マイポータル」的であるともいえるでしょうか。


もちろん、今のdel.icio.usのタグのように、ユーザ全体のカテゴリ(タグ)集合を見ることができたらまた面白いのは間違いないですが、それは、ユーザごとのデータが時系列で残ってさえいれば、あとは何とでもなるでしょうし、まだ見えない部分が多いので、それは後に回して、キーワードとの連携の部分からまずやってみたらどうか、というのが、前回のエントリーで書いたことのもう一つの主旨でした。


finalventさんが最後に仰っている

むしろ、ぶくまのほうが自動的にキーワードを出すわけだから、現状ぶくまされたはてなDのキーワードがぶくまのキーワードからどう見えるかというのは、比較的マシン処理しやすいはず。なので、そこから着手したどうでしょね。

というところは、そういうことを仰っているのかなと思うのですが、つまり、現在はてなブックマークでユーザが入力している[タグ]のデータと、同じpermalinkから抽出したキーワード、この両者のデータを使えば、あるキーワードに対してどの[タグ]が多く振られているかということは簡単に分かるでしょうから、それを「タグクラウド」として各キーワードのページに表示させれば、私の考えているキーワードとの連携のための「カテゴリクラウド」にほぼ同じものになります。


ただ、タグは、自由度が高すぎるのため、今のユーザ数だと有用なクラウドが得られないかもしれないという危惧があって、それで「カテゴリ」に限定した方がいいのではないかと考えました。

タグよりむしろ、ダイアリーの[カテゴリ]とそのセクションの内容からの抽出キーワードを使って計算したものを表示させた方が、「カテゴリクラウド」としては有用かもしれないとも思っています。

両者をマージした方がいいのかもしれません。

そのあたりは、わかりません。


で、この相関関係のデータを元にすれば、今度は各ユーザのカテゴリ毎のページに「キーワードクラウド」を表示することができるようになるでしょう。

すると、その「キーワードクラウド」は、今の「タグクラウド」と同様、バラツキと頻度と鮮度を持っているわけですから、それらをユーザが適当にTPOに併せて取捨選択しながら、カテゴリページとキーワードページを行ったり来たりすれば、自分の興味のあることを、検索することなしに、どんどん辿っていけるようになるんじゃないだろうか。

そんな風にイメージしていました。


また、相関度をある程度絞り込んで表示できたり、鮮度で絞り込めたり、チューニングをしていけば、ブクマで言う「人気度」「注目度」「新着」ですか、あんな感じで簡単に切り口を変えて見られるようになっていれば、結構はやく目的のものに辿り着けるような、そんな気がしています。



さらに言うと、この構想は、ダイアリーやブクマのコメントなどで自らがアウトプットしたり(つまりブログを書いたり)、逆に、ブクマやアンテナやRSSなどで自分の興味のあるサイトやブログやエントリーをチェックするよう記憶させておくマーキング的な行為をしているだけで、改めて検索しなくても、カテゴリやキーワードを介して自動的に関連コンテンツに繋がっていけるようになるんじゃないだろうかという話でもあるかなと思っています。


自分のカテゴリページ毎に、関連する注目ブクマとか注目RSSとか注目アンテナといったものが一覧で見られるようになっていたら、凄く便利だと思うんですよね。

ユーザが一つのポータルページをもつのではなく、いろんな側面(カテゴリ)からの情報を見ることができた方がいいのでは、と。


はてなブックマークを使えば、今でもそれに近いことができて、たとえば、自分のダイアリーに何気なく疑問を含んだエントリーを書いたとします。それを自分でブックマークすると、関連キーワードが抽出されるわけですが、それを辿って関連キーワードのブクマのページに行くと、関連ブックマークが多数集まっていて、人気度やら注目度やら新着などで見られるようになっていていますから、…ということですが。

それをいちいちブクマしなくても同様なことができたら面白いのになあということです。


このあたりが、finalventさんの

 現状はただキーワードサーチだけというネアンデルタール人状態なわけだよ。

あたりの言及に対する私なりの回答といえば回答かもしれません。


はてなは、はてなQから始まったのだから自然言語で…というご意見には納得ですが、キーワードはとりあえず置いておいて、まず「検索」というパラダイムから抜け出す、という道もあるかなと。

それに対する一つのアイデアとして、今回のカテゴリ構想が使えるかもしれない、とも思いました。



次に、時間というファクターの重要性について。

 むしろ、ヒューリスティックというか、ヒストリカルというか、ヒストリカルオントロジーというかなんだかわかんえーぞこのぉというか、ま、これまでにどのように知識が蓄積されたかという関連のヒストリーそれ自体が組織になるのではないか。

オントロジーはさておき、ヒストリカルというところが非常に重要であると私も思っていて、ダイアリーもブクマも時間が残るので、それから抽出したキーワードやタグやカテゴリを「鮮度」というような、時間軸で見ることができます。

それを参考に、たとえば、タグクラウドの時間による変化を見られるようになっていると、非常に面白そうなのですが、今の仕様では残念ながら、タグを書き換えてしまうと履歴が残らないし、一つのpermalinkに対しては一回しかブクマできないので、もったいないなあとよく思います。


まだブクマは始まったばかりでその効果は見えにくいですが、その動的な性格の部分は非常に重要だろうと考えていてます。

各ユーザ(アカウント)毎の、動的なカテゴリ集合。


たとえば、先日jkondoさんがエントリーしていたキーワード「暑い」の変遷と東京の温度の相関性の話題がありましたが、あんな感じで、あるキーワードに対してどんなカテゴリがついていくのか、逆に、あるカテゴリに対してはどういうキーワードが上位に来るのか、そういったことを時間軸で追いかけることができるようになると、みんながどんな風にコトバを使っていて、それがどう移り変わっていくのかが見えてきたりして、面白いと思うんですけどね。


データ量に対して使われる場合が少なすぎるような気がしないでもないですが、それはキーワードの言及数の変遷データも似たようなもので(笑)

 はてなQとはてなDがうまくインテリジェンスとして連携していないのもなんだしな。これにぶくまが

あるわけだし。

人力検索のことはすっかり忘れてたというか、これまで全然見えてこなかったのですが、改めて考えてみると、いろいろできそうな気がします。


たとえば、人力のインターフェースで質問を書いたとします。登録する前の段階でカテゴリを選択できるわけですが、これを自由に付けることもできるようにしておいて、かつ、登録前にキーワード抽出が行われるようにしておき、それに関連するカテゴリとの関連度なども併せ、類似質問や回答、さらにはダイアリーの関連エントリーを抽出できるようになり、かつ、ダイアリーで「はてなQからの投げ銭を受け入れる」というような設定があって、それをデフォルトではONにするようにしておけば、いつか誰かの役に立つかもしれないと思って書いたエントリーが3年後の質問でペイされたりして、結構面白いと思いました。


また、たとえば、ダイアリーのタイトルで[hatena:q]というカテゴリを使ってエントリーするとそれが人力検索の質問になるとか(これは支払いの面でちょっと難しいのですが)、[Re:hatnea:q:123456789]とするとそれが対象の回答になるとか(この場合、受取額は全額はてなへの報酬にするとか「なんちゃら募金に回す」とか設定できるようになっている、みたいな)。


それから、たとえば、結構専門的な領域の質問があったとして、自分ではその質問に答えられないけど、どのジャンルかはわかるという場合、その質問にカテゴリを自由に付けられるようになっていれば、かつ、ある特定のカテゴリの質問があがったらメールを受け取るような設定があって、こちらも自由形式で複数のカテゴリを登録できるようになっていたならば、その両者のカテゴリの多様性からして、これでマッチングした際には結構質の高い回答が得られるようになるかもしれないなあと思いました。

これは、質問者は、カテゴリすらわからない場合も多いでしょうから、第三者がカテゴリをつけることに非常に意義があるという例でもあります。


また、自分は答えられないけど、あのユーザならこの質問に答えられそう、というような場合もあるでしょう。そんな場合に、例えば、ブクマを使ってその質問のページをブックマークして、タグとして[for:id:ACCOUNTNAME]という風につければ、そのブックマーカーからACCOUNTNAMEさんのダイアリーにidトラックバックされるとかメールされるみたいになっていて、そして、そのブクマ経由での回答があると、その回答者への受取額からブックマーカーに対して自動的に紹介料が支払われるようになる、という機能があっても面白いかもしれません。
(これはちょっと悪用が怖いですけど(^^;)


とりあえず、思いついたのはこのぐらいですが、そんな風に、カテゴリをユーザに開放すれば、結構いろいろと面白い連携ができそうな気がします。

 って、集まる知識はメタブログばっかしという…オチだったりして。

そうかもしれません(^^;。でも、ブクマが「人気エントリー」から「注目のエントリー」がデフォルトに変わったのと同様、チューニング次第かもという気もします。やってみないと何とも言えないですね。



以上。また長くなってしまいました。スミマセン。orz